『THE DARK SIDE OF THE MOON / 狂気』 1973年   1975年11月15日

1. (a)Speak To Me / スピーク・トゥー・ミー
   (b)Breathe In The Air / 生命の息吹
2. On The Run / 走り回って
3. Time / タイム
4. The Great Gig In The Sky / 虚空のスキャット
5. Money / マネー
6. Us And Them / アス・アンド・ゼム
7. Any Colour You Like / 望みの色を
8. Brain Damege / 狂人は心に
9. Eclipse / 狂気日食
  David Gilmour - Guitar & Vocals
Roger Waters - Bass Guitar & Vocals
Nick Mason - Percussion
Richard Wright - Keyboards

 さて、『狂気』である。その売上げ枚数がついに3000万枚を越え、10年後には『スリラー』を抜 いて世界一になっているであろう、あの『狂気』である。このアルバムに関してはうかつなことは書けないのであるが、それでも書いてしまうのである。
 『狂気』は私が初めて聴いたFLOYDのアルバムであり、冒頭の心臓の音、人が走り回る音、不気味な笑い声、レジスターの音などにびっくりしたものであるが、なんといっても一番シビレたのは「タイム」であった。最初小さく鳴っていた時計の音が突然大きくなったのにも驚いたが、あのイントロのなんというのか知らないけれどタイコの音がまずいい。歌の部分のメロディー・ラインが非常に私好みでもあった。そして、あの間奏のギター!楽器をまったく弾けない私が聴いても「かっこいい!」と思ったこの曲が『狂気』に入っていなかったら、その後FLOYDのアルバムを買うことがあったか、ここまで聴き続けることがあったかわからないと思われるほど、決して大げさではなく確実に私の人生を変えた1曲である。

私にとって『狂気』とは「タイム」であり、「タイム」こそが『狂気』なのである。

 もちろん、他の曲もいいのだが、それは全編を通して聴いた時にその良さが生きてくるような曲が多いと思うのである。まあ、これはそういうアルバムだから私のような聴き方が間違っているとは思うのだが、それでもその中で「タイム」だけは単品で堂々勝負できる曲だと私は思っている。
 そして、その勝負に負けた私は、これからも死ぬまでこの曲を聴き続けなければならなくなってしまったのである。

2000/10/27


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