第23回

『「エコーズ〜啓示」TVCMについて』

 私は中学生の頃、数学の成績はまったくダメなやつだったんですが、ひとつだけ興味のあることがありました。それは数の単位であります。一、十、百、千、万、億、兆、ときて、そのあとはどうなっているのか?というのに非常に興味があったのですね。
 それで、数学の先生何人かに訊いてみたんですが「そのあとはない」とか「くだらないこと聞くな」とか「あっても覚える必要はない」なんて言われて、「ふう〜ん・・・」などと唸っているうちにそんなことなど忘れてしまったわけです。
 それから何年かして、ある本で「南極にある氷の重さは全部で2京トン(京は兆の千倍)」というのを読んだ時、「なんだ、兆の上にもまだあるじゃねえか」と再び興味が涌きあがり、本屋など行ってその手の本など立ち読みしてみるんですが、どうもそういうのは載っておらず、そのうち興味も薄れ「もういいや」という状況になっていったわけであります。
 それからさらに十数年、ある日テレビを見ていた私は1本のテレビCMに一瞬、釘付けになりました。
 それはたしかIBMのCMで、今となってはよく覚えてないのですが、ロケットか宇宙船のようなものが宇宙目指して飛んでいる映像にかぶせて、「一、十、百・・・正、載・・極・・・無量、大数」というナレーションの入るもので、「おお〜・・・これだあっ!」と思ったのも束の間、30秒のCMはビデオをセットするひまもなくあっという間に終ってしまい、「わあー、もう一度やれえー」など騒いでもその日はもう見ることができませんでした。
 それは、たしか水曜日の夜7時からの番組CMだったので、次の水曜日はビデオセットしてじっと7時になるのを待っていたのですが、その日はナイター中継で違うスポンサーだったため、またまた見ることができず、アタマにきた私は次の日お昼から夕方までのNTVを6時間タイマー録画しておいて、帰ってきてからゆっくりと早送りで(なんかへんな言い方だな)見続けて、やっとそのCMを探し出すことができたというわけであります。
 「江戸時代にこれだけスケールの大きいことを考えていた人がいた」というそのCMを保存しておきたかったのですが、ビデオも買ったばかりのころで、まだまだテープも高く、たった30秒のCM1本だけのために60分テープ1本そのまま保存しておくこともできず、今はもうそのCMを見られないというのは非常に残念なことをしてしまいました。

 ということで、さて本題ですが、その前になぜこんな長い前振りが必要だったのかと言いますと、それと同じ方法でやっと『エコーズ〜啓示』のCMを見ることができたからであります。
 ええ、本題のほうはこれだけです。これで終りです。

 って、それじゃあんまりという気もしますので、そのCMを見られなかった人のためにちょっとだけそのCMを再現しておきます。




 いきなり『pulse』の「キープ・トーキング」オープニングの映像の上にフロイドのアルバム・タイトルがパッ、パッ、パッ、と現れ、「クレイジー・ダイアモンド」4分20秒あたりのフレーズがかぶさる。
 次に『pulse』の「アナザー・ブリック・イン・ザ・ウォール・パートU」の歌と映像にナレーションがかぶさり、画面には次の文字があらわれる。

 

 

 ピンク・フロイド

最新プロジェクト

 ↓

 ↓

 ↓

 
時空を超える

ノンストップ140分のドラマ


 ↓

 ↓

 ↓


24ビット・デジタル・マスタリング

2枚組 全26トラック


 ↓

 ↓

 ↓

 
『エコーズ〜啓示』

ザ・ベスト・オブ・ピンク・フロイド

 

 ↓

 ↓

 ↓

  

 そして、最後はジャケがあらわれ下に小さく「絶賛発売中 TOSHIBA EMI」と出て、もう一度「クレージー・ダイアモンド」4分20秒あたりのフレーズが2秒ほど流れ、ホントに「あっ」という間に終ってしまう15秒CMでありました。
 ただし、画面にあらわれる文字とナレーションがちょっと違うので、以下ナレーションの部分だけ書き出してみます。(って、オレもよくやるよ)

「ピンク・フロイド 最新プロジェクト ノンストップ140分の壮大なドラマ エコーズ 啓示  ザ・ベスト・オブ・ピンク・フロイド」

 画面に現れるいくつかの文字を飛ばすかわりに、ここには「壮大な」という言葉が加えられております。これは一体何を意味するのか?なんてことは私にはまったくわからず、そう深く追求するほどのことでもないので、このへんはうやむやにしてしまいますが(わあ、ずるいぞ〜。という声は・・・ないよね)、今回はとりあえず「こういうCM見たぞ」という、ただそれだけの話なのであります。しかし、フロイドのアルバムCMが日本のテレビCMで流されるなんて史上初というような気もしますので、それを見て単純に感動ししまった私は「これはちょっとどこかに書いておきたいな」と思っただけのことであります。
 例によってなんの主義、主張もない駄文で最後まで読んでくださった方には申し訳ないんですが、これが私の実力ということで、どうかご勘弁を(大汗)。

  それでは、また。 <って、また書くんかい。。。

☆            ☆             ☆

2001/11/12 



 

[TopPge] [Menu]


最終更新日 : 2002/01/22.